ココは禁断の部屋……いや、又の名を“不純異性交遊の場”とでも申しましょうか。



「んな露骨に嫌がんなって」


そして目の前には、あたしにとっては全く王子様じゃない、みんなの王子様。


あの後、悲鳴をあげたあたしはコイツから離れるように腰に回った腕を振り払い逃れたのだ。

まだ、感触が残ってる。

そして教室の出口に一番近い壁にピッタリ背中をくっつけて、コイツとの距離をグーンと空けたのだ。



「な……なんでアナタが居るんデスカ」


顔がみるみる引きつきっていくのを感じながら、最後はカタコトになってしまった。


成瀬川は「フフン」と意味深な笑みをこぼして、あたしへ一歩また一歩と近寄る。



大っ嫌いなんだから……。

そんな顔であたしを見ないで!