「遅い」 部屋に入ると、仏頂面をしたシンさんがあたしのベットに座っていた。 「……シ、シンさん」 すっかりシンさんのことを忘れていたあたしは、驚きで涙が止まった。 というか、泣いていたことに今気付いた。 こんなことにも気付かないくらい、あたしはいっぱいいっぱいだったようだ。 「俺、30分も待ったんだけど、どこ行って……て、泣いてる……?」 あたしの異変に気付いたシンさんが立ち上がって、あたしに近付いてきた。