1月の終わり、修司くんは今日バイトなので、まっすぐ家に帰ろうと思った。


「ねぇねぇ、真知子!今日修司くんバイトなんでしょ?」


由梨はウキウキ気分で聞いてきた。


「そうだけど…」


私は由梨が何を言い出すか、検討がついた。


「修司くんのバイト先に行ってみようよ!」


……やっぱりなぁ。


「ハイ、決まり!じゃ、行こう!」


由梨は私の鞄も持って走って行った。


「あ、ちょっと待ってよ」


私は由梨を追いかけて行った。



「いらっしゃいませ~」


修司くんのバイト先のコンビニには、小太りな男が一人。


「スミマセ~ン。皆川修司さんは?」


由梨は、修司くんがどんな感じでバイトしているのかが気になるみたいだ。


まさか、由梨は修司くんの事が好きなんじゃ…。
……とは思わない。


由梨の目は、珍獣を見るような目だから。
川に現れたアザラジの様な…いや、例えが可愛すぎる。


道端に現れたワニみたいな、由梨はそうゆうのにすぐテンションの上がる子だった。


「なに?君たちも修司くんのファン?」


……ファン?


「修司くん目当てで来るお客さんが増えて大変なんだよねぇ」


小太りな男の名札には、『店長 吉野 康生』とかいていた。


ふりがなでは、『よしのやすき』…。


吉野家好き。
……そんな顔してるよ。