雲一つない澄み切った青空の日。


まだ清々しい朝の空気が残る午前中だが、今のあたしにはそんな空気を満喫する余裕なんてなかった。



や…やばい……。


あたしは緊張と恐怖の余り、ガチガチに震えていた。



「今日から夏休み中だけ働いてもらうことになった森永唯(モリナガユイ)ちゃんよ。バイトは初めてだそうだから、皆色々教えてあげてね。じゃあ、唯ちゃん、挨拶して」


店長に言われて、あたしは慌てて頭を下げた。


「も…森永唯です。よろしくお願いします」


渡された白いシャツに黒いパンツ、黒いソムリエエプロンというなんだか格好いい制服に着替えたあたしは、今他の従業員に紹介を受けているところだった。