【真心side】
夏休みが終わり、二学期が始まってすぐのこと。
いつもなら、あたしよりも先に起きてソファで座っているふぅちゃんが今日はいない。
あれ…?
ふぅちゃん、まだ寝てるのかな?
遅刻したらダメだから起こしに行ってあげよっと。
───…コンコンッ!
一応、人の部屋だしノックはしなきゃね。
でも、ノックして中から返事はない。
やっぱり寝てるのかな?
「ふぅちゃん、入るよ?」
ガチャ、とドアを開けるとふぅちゃんがベッドで横になってまだ眠っていた。
珍し……
「んんっ…」
ひょい、とふぅちゃんの顔を覗いてみると彼の額には大量の汗が流れ出ていて苦しそうにしている。
「ふぅちゃん!?」
あたしはふぅちゃんの体を揺すって起こす。
「……だる」
苦しそうに顔を歪めながら一言だけ言葉を発した彼。
そんな彼が見ていられなくなってあたしは慌ててキッチンへ行き、
冷蔵庫からキンキンに冷えた氷枕と冷えピタを取り出し、
棚にしまってあった体温計を持って彼の部屋へと戻った。