1回のみかと思われたチカちゃんとの登下校は、1週間経った今でも見事に続いていた。




「慣れって怖い…」


今日もチカちゃんとの登校を終えた私は、ただ今机の上に項垂れている。




この1週間で、チカちゃんとの登下校は何故か学校の人にも知られるくらい定着してしまっていた。


中には私とチカちゃんが付き合ってるんじゃないかというあり得ない噂をする人まで出てくる始末。




その訂正を繰り変えすこと1週間。


チカちゃんと一緒に登下校することも、噂されることも、それを訂正することも、恐ろしいことに慣れてしまう自分がいた。




「弟くんの下剋上が始まったってことね」

「へ？」


美沙はそう言うけれど、私にはさっぱり意味が分からない。



もうここまで来ると、いつ気まぐれが終わるかわからないこの可愛い弟との登下校を楽しむことにした。