* 可奈子 side **




ある日の朝。



「えーっと…チカちゃん?」

「何」



私、宮野可奈子はただいま非常に困惑しております。




「何してるの?」

「朝飯食ってる」


そう。チカちゃんが朝ご飯を食べてるのです。




「え、なんで?なんで食べてるの?って、まずなんでもう起きてるの!?」

「…るせーな、悪りぃかよ」



そう不機嫌そうにしながらも、きっちりと制服に着替えたチカちゃんはもう完全に準備が整っている。



「どーしたのチカちゃん!頭でも打った?何かあったの?」



小学生の頃から私が起こしに来るより前に、チカちゃんが起きてることなんて一度もなかった。



「や〜あたしもビックリしたのよ。千景が自分から起きて来るなんて今までなかったものね」




チカちゃんママでさえそう言うくらいだ。


これはとんでもない大事件が起こってしまったに違いない。