「もう1週間になるね。受験勉強の疲れが、今頃出たのかな」


「うん……」



やっちゃんが遠くのれおの席に視線をやりながら、机にうなだれる私の頭をポンと叩いた。


そしてそのまま、優しく髪を撫でてくれる。


それでも気分は上がらなくて、毎日毎日こうしてダラダラしながら過ごしている。


その理由は明白だった。



「寂しいでしょ、桐生君がいなくて。こんなに学校を休むなんて、珍しいよね」


「うん……」



デートの日から10日が経ったけど、あれから一度もれおには逢ってない。


なぜなら、体調を崩してずっと学校を休んでいるから。


家にお見舞いに行っても、起き上がれないほど具合いが悪いと言われて逢うことが出来なかった。


メッセージの返信はいつもと変わらないけど、体の調子はすこぶる悪いらしい。


れおは単なる勉強疲れだって言ってたけど、本当に大丈夫なのかな。


顔が見えないからこそ、余計に心配になる。


早く逢いたい。


逢ってこの前の返事がしたい。


好きだよって、そう伝えたい。



それなのに、2週間経ってもれおが学校に来ることはなかった。