あれから、体育祭実行委員会やらなんやらで、校内は忙しくなった。

だけど、それはバスケ部も同じで。

毎日のように、練習が続いた。

でも……今日は、久々のオフだとか。


「うっしゃぁーっ!! オフきたーっ!!」

昼休み、悟史くんは大の字になって寝転んだ。

「最近忙しかったからね〜。翼、今日どっか行く?」

「ぁー俺、近くの体育館借りる」

「? なんで? 自主練なら、学校のでいーじゃん」

「女バス使うらしーからさ」

「あ、そっか」

自主練かぁ……すごいなぁ。

「舞は? 今日部活?」

「ううん、お休み」

「そっか! 舞は、今日も絵、描きに行くの?」

「そう思ったんだけど、画材忘れちゃったから、家で描こーと思って」

「んじゃ、今日はみんなで帰れるね〜」

「……うんっ」


誰かと一緒に帰れる……そんな小さなことが、あたしは、嬉しくてたまらないんだ。

今まで、誰かと帰ったことは、なかったから。