「城智学園ーっ?!」

お昼休み、いつもの屋上で突然若葉ちゃんが目をまん丸にして叫んだ。

「んだよ、いきなり」

「だってだって、顧問からのメールがっ!!」

みんなに、メールの表示画面を見せた。

あたしも、それをちょっと覗くように見る。


「【予選のブロック、城智学園のブロックになった。二回戦は城智学園】って……」

優斗くんが、ゆっくりとメールの内容を読み上げた。

城智学園……って確か、同じ地区の学校だっけ。

この辺で一番、偏差値が高いんだよね。

中高一貫校で、東京ドーム2つ分の敷地を誇る、超有名な私立校だ。


「そこって強いんですか? って、あれ?」

ケータイから目を離すと、バスケ部のみんなの雰囲気はドヨーンとしていて、全員下を向いている。

……翼くんを除いて。


「あ、あのぉ……」

「矢野さん、城智学園は去年の優勝校」

「しかも、10回連続インターハイ出場」

「インターハイでは毎年ベスト4には入ってる」

す、すごい……っ。

でも……時々練習を見てるけど、みんなも負けてないと思うけどなぁ。