落下していく感覚で目を覚ました。

 躰が、何処にも無い。

 目の前に映っていたのは、天井にぶら下がる蛍光灯の、白い無機質な光。

 ウォーンという低い機械音が聞こえてくる。

 徐々に取り戻されていく「私」という知覚で、ああ、生きていてしまったのだ、と私は理解した。