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星の涙

第四章 新しい世界

八月も後半に入り、夏休みも残りあと二週間となった。

わたしは地方にある祖母の実家で数日過ごしたり、家族で旅行したり、しばらくの間地元を離れていた。
そこらへんをうろうろしていると、颯太くんに会ってしまいそうな気がしたし、全然違うことで気をまぎらわせたかった。

地元に戻ってからも、暑さを言い訳に家にこもる日々が続いた。えれなはチア部の練習が忙しくて、出かけようという誘いがないことをいいことに、本を読んだりDVDを見たりして過ごしていた。
そして、思う。

ほんとに私ってひとりでいてもどうにでもなるな、と。

家族がいるから家にこもっていても、誰ともしゃべらないという日はないし、短くてもえれなとは毎日LINEしているから、孤独だという感じはしない。

読書やDVD鑑賞にふけっていたら、時間なんてあっという間に過ぎる。感動したら、そのページや一シーンを写真にきりとってインスタグラムにアップすればいいねがたくさんきて、感動を共有できたような気がする。


それだけでなんとなく満たされて、よく考えなければ、日々はそれなりに過ぎていく。

でも、これでいいのかなという漠然とした不安が、頭のすみにつねにあるのも事実だ。

なにがいけない? なにが不満なの? と自分で自分に問いかける。

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