だんだんと強くなる炎と煙の中で、意識が薄れていく。


あきらめたら終わりだって分かってるのに、体が思うように動かなかった。



「…はぁ、はぁっ」



畳に寝そべるようにして、必死で少ない酸素を吸い込む。



思わず本気でもうダメかもしれないなんて考えてしまう。



自分は体力には自信があって、こういう時も自分の力で切り抜けられるタイプだと思ってたのに、いざとなると何もできない。


結局はいつだって危ない目にあうばかりで、そのたびに誰かに助けてもらって…。


我ながら情けなくてたまらなかった。



あぁ、せめてこんな格好で来なければなぁ。


すぐに逃げることができたはずなのに。