全然眠れなかった……。

まぶたは重たいのに、結局完全に下りないまま朝を迎えた。


「このはー、このはー!起きてるのー?」


ママの声が、階段の下辺りから聞こえる。


「はぁい……」


力なく、きっと本人までは聞こえない返事をして、あたしはのそのそと起き上がった。

ハンガーにかけてある制服を手に取って、「あ」と声を漏らす。

そうだ。いつもみたいに長袖しか用意してないんだった。

タンスを開けて、新品の半袖ブラウスを取り出す。


……よし。