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それから卒業式の日まで、私は君に話しかけることができなかった。
君も私を見ることは一切、なかった。
学校の授業はほとんど無く、あまり教室にいることもなくなったし、
私も高校入学の準備で、引っ越し先の街に行ったり、戻って来たりを繰り返していた。
卒業式では、仰げば尊しを泣きながら歌っている同級生たちの姿があった。
私も涙が出た。
この街を離れなきゃいけないこと、君との関係が決裂したままなこと。
本当は、試験が終わったら君に好きと伝えて。
一緒に、高校生活を送るつもりだったのに。
君と一緒に勉強を頑張った思い出は、
あの時こうしていれば、ああしていれば、と後悔だらけのものになった。
もうこの街を去る時間は、着々と迫ってきている。