小高い丘の小さなベンチから
見下ろす町は君と
僕の住む町
君の家は向こう
僕の家はあっち
あの道を歩いて
僕は帰る
あの小さな電車は君が乗る電車
真昼の長閑き陽光に
晒された僕らが隠す
影の下に何を
影の下に何を
春になれば花を
秋になれば葉を
愛おしむこの里に生まれた
淡く溶ける雪のような花に
命をなぞらえ
血潮のように紅い葉のひとひらに
命をなぞらえる
手をつなごうか
それともやめようか
君の向こうに見える線路
季節は巡って
生命も巡り
君と手をつなぐ日があるなら
僕らはどこへ帰ろうか
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