「葵……どうしたの?」



翌日。体育の授業。



今の時期は体育館でバレーボールをする。


って身重なのに、運動なんて……出来るわけが無い。



お腹にボールが当たったりでもしたら大変だ。


そんな……一人着替えようともしない私を見て、不思議に思ったアキナが声をかけてきたのだ。



最近のアキナは、ギャルである学級委員長とすっかり仲良しで、フェスもサボりがちだったけど、一緒にいる時間が減ってたってもちろん友達な事に変わりは無い。



だから



そっと耳打ちした。



「誰にも言わないでね?私、妊娠してるんだ!」



その瞬間、嘘でしょ?と一瞬表情を変え



「ケンの子なんだよね?」



そう聞くアキナに自信満々に頷くと、小さな声で「おめでとう!」そう言われた。



妊娠が分かってから、初めてのおめでとうが嬉しくて……私はそっとお腹に手を当てた。