何事もないように
帰り道を歩く祐くんとあたし。
ただ、
少し景色が違って見えるのは
右手に祐くんの左手の温度が
伝わってくるから…。
「うわぁいいな~アレ!」
「ほんとだっ、カップル羨ましいー」
「あたしも夏休みまでにはほしいわぁ」
ざわざわと
あたしたちと違う制服を着た
女の子たちが
あたしたちの方を見て騒いでいる。
″カップル″…
って
あたしたちのこと…だよね?
「誤解…されちゃうよ」
あたしは祐くんの手を
パッと離した。
祐くんは
あたしを振り返った。
「誤解?」
「…祐くんには、彼女が居るんだから、、」
声が震える。
祐くんの目すら、まともに見れない。