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「ここはこの公式を使って...分かるか?」
あたしは言われた通りに
スラスラとペンを滑らせる。
スラスラ......?
「す、すごいっ。あたしが解けてる...」
上田先生の教え方は
ビックリするほどわかりやすくて
あんなに数学が苦手なあたしでも
こんなにペンが進む。
「俺をなめるなって言っただろ?」
「俺は全然わかんねーけど。」
那月くんは
ペンを放り投げて
手をだらんと椅子の横にたらした。
「お前も、次の期末で挽回しなきゃあ、やべーんじゃねーのか」
先生は那月くん前に立って
にやりと口角をあげて言った。