「何でペットなんですか!?」


「そっちのほうがいいだろ?表向きは俺のペット、本当の関係は俺の奴隷ってことで」


朝の登校での最初の会話。3人しか乗っていないのに広すぎる車。
地味子から派手子?に変身させられてから私は私服登校になった。とは言うものの、今まで地味でダサい服ばかりしていたせいで、服のコーディネイトの仕方が分からない。


会長は私の着替えまで監視するようになった。部屋の中にずかずかと入ってくる。上下の色が合ってないとか、これじゃあだらしないとか結構うるさい。
でも、普段高級服を着ている会長にとっては普段着。上手いコーディネイトの仕方を知っている。


私がやるとダメになるのを簡単にハリウッド女優のようにしてくれる。

でも、ペット扱いされるのはどうしても納得できない‼


「見て、会長のご登校よ!」


「大和様が可愛いペットをお連れよ」


「綺麗な服を着せてもらって羨ましいわ~」


あの事件から、早乙女もとか=会長のペットとして認識されてしまった。正しくは勝手に掲示板に書かれてしまっただけなんだけど。


前までは生徒会のウザい存在と妬まれいたのに、今ではすっかり憧れの眼差しに見られるようになった。


(どういう心境なんだ、ここの生徒達は……)

百八十度の心変わりに唖然としてしまう。
この学校の心理が全く理解不能。


でも、クラスのいじめがすっかりなくなったのは良かったと思っている。
徐々にではあるが、クラスの子たちと喋るようになった。しかし・・・・。


「会長の趣味とか聞いてきてよ」


「使用済みのコップとか持ってきてよ」


会話のほとんどが生徒会に関することだ。やっぱり、私の事はアウトオブ眼中らしい。


ヴヴヴヴヴヴヴ……。


メールが入る。嫌な予感がする、会長からのメール。


送信者:ご主人様

ワンワン~ワンワン~♪


ふざけたメールだ。生徒会室に直行で来いというサインらしい。