「なあなあサツキー」


「……せめて、サツキお兄ちゃんって呼べよガキ」


「おぉー?

 おねーちゃんが言ってたよ、そんけーにあたいしないやつはうやまう必要はないって。

 それにガキじゃないぞー翔太だいサツキー」


「…………そーですか」



はあ、と大きくため息をついて俺は、ベンチにもたれかかった。


頭が痛くなってきた。

周りをちらり、と見てみると通りすがる人たちにくすくすと笑われているのが、分かった。



隣には、足をぶらぶらさせながらニコニコしている、幼稚園児が一人。




……なにやってんだろ、俺。