――きっと彼は

想像したことすらないのだろう――






ほんと、嫌になる。


あいつは今日も遅刻のくせに
タバコくわえてスローな足取りでご出勤。


叱られて反省の素振りを見せても、そんな姿は真っ赤な嘘。


だってあの大きな瞳は

早く同僚たちとの世間話に花を咲かせたくて、そわそわしている。


誰も捕らえることのできない、勝手気ままな存在。

嫌になるくらいにまぶしい。