「おばさん!おはよーっ」

「あら可奈子ちゃん。おはよう、毎朝悪いねぇ」

「いいえ〜」



私、宮野可奈子(ミヤノ カナコ)の朝はいつもこうやって始まる。



ここは、私の家の隣の幼馴染のお家。



家族ぐるみで超仲が良いためお互いの合鍵も持ってるので、こうやって毎朝勝手にお邪魔しているというわけ。




もう何回来たか分からないこのお家に、今日も私は当たり前のように2階への階段を登る。




────ガチャ、


「チカちゃんっ、おはよー!」




そうして、これまた当たり前のように1つの部屋の扉を開けた。





「…るさい」


ぬくっと起き上がって不機嫌に睨んでくるこの部屋の住人。




奥原千景(オクハラ チカゲ)、通称チカちゃん。



私の可愛い可愛い弟───もとい、幼馴染です。