―もっと、刺激的な恋を。―

片想いが実ることは決して多くない。実った分だけ散っていった恋がいくら有るのかなんて計り知れないだろう。その手に顔に身体に無条件に触れられる間柄になりたい。心を満たす愛の言葉もキスをするのも注がれる愛情も全部全部自分のものにしたかった。制御しきれない胸の痛み。私の心に吹き荒れる嵐の片鱗がそちらにも舞い込めばいいそう思ってあなた達の会話を録音した。恋に破れた女の恋心は邪心を滲ませ一つの細やかな幸せを破壊しようと歪んだ愛に沈んでいた。注意力が足りないね、ただでは済まないね。そんな風に嗤ってやりたいのに。
ここまで来ると片想いを拗らせどっちにも行けない私がひどく惨めだ。
片想いは逆に言えば心の醜さの表れだと思う。大半が自分目線の御都合主義なのだ。だから、歪んだ恋心に理解は出来ても納得は出来ない。逆だったらそんな目に遭わされれば嫌なんだろと邪魔をするなと冷静に考えてしまいました。

彼の第2ボタンは誰の手に渡るのだろう。花達を眺めながら思うのは学校のアイドル奥寺のボタンの行方。勿忘草の花言葉は私を忘れないで。3年間丹念に育てた花達は私が卒業すれば世話をする者が居なくなり枯れてしまう。きっと誰の目にも留まらない。花達に別れを告げる私に彼は自分のボタンを渡す。俺のこと忘れないで。ああ、その言葉の意味が分かったかも知れない。居たよ、私を見つけてくれた人。私を忘れないでくれる人。私も忘れない。卒業と入れ替わりに私に訪れたのは恋(ボタン)だった。桜舞う新学期新しい制服に身を包んだなら、2人の距離が少しでも近付いていますように。春よ、早く来い。

幸せと不幸せが入り混じった恋。
近親者に恋心を抱いたが最後、俺は普通じゃなくなる。 世間の目とか道徳とかそんなもの取っ払ってしまえたら。他人には理解し得ない自分の気持ち。
それでも俺は、真弥、君を愛してた。
普通じゃない恋をしたから、沢山思い悩んで間違いだって犯した。自身の制御も出来ずに好きと罪を重ね続けた。でも、いずれ罰は当たる。いつまでも一緒には居られない。
真弥は、現実を甘く見てたんだよ。ゲームオーバーだよ。心臓が抉られるように痛い。苦しい。
皮肉なことに俺は姉貴以上に姉貴を知ってるから、この罪がどれだけ重いか分かるーー。
次に会う時はこの涙はもう見せないよ姉貴。

ああー二人には何とか幸せになって欲しかったけど！残念。でも二人のためにはこれで良かったんだと、失ったものも多いけど、記憶が過去に塗り替えられたって忘れる訳じゃない。君を愛せて良かったと思わせてくれたのでこれで良いです。