―もっと、刺激的な恋を。―

「おーい！たかなしー！！」 ずっと会いたかった、真人くんがバイクに乗っていた。 信号待ちをしていた彼に、勇気を出して、名前を叫んだ。 真人くんは、私を見てくれなかった。 私の声は、聞こえたのかな、聞こえなかったのかな・・・。 これが、真人くんを見た最後だった。 私の想いは、届かなかったのかな。。 ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー 小森ひろみ(こもりひろみ)、大学に入学した春。 これから、楽しいことばかりがあると思っていた。 バイト先で、フリーターの高梨真人(たかなしまさと)に出会うまでは・・・。 19歳の恋は、真っ直ぐで、かけひきもなかった。 ただ、好きで、幼かった。 もっと大人だったら・・・。 人を想う気持ちに、悲しさがあることを知った。 初めての恋。