校舎裏にある朽ちた花壇。 夜になると枯れたはずの緑がよみがえり、甘く香るバラのアーチの向こうに「夜の庭園」が現れる...... エリは6年生にもなっておとぎ話にばかり憧れる幼なじみの容子にうんざりな毎日。 けれどあるはずのない「夜の庭園」の影は、少しずつ二人の足元に忍び寄る...... 不穏な噂、消えていく少女たち。 『一緒に行こう、エリちゃん』 そのアーチの向こうにあるのは、 夢の国か、 それとも.........

『ハライノギ』 それは、16歳を迎えた娘が『ハライメ』となり、一晩かけて己の身の罪を悪喰の蛇神に捧げる儀式…… 矢鳥家の長女・あざみは、ハライノギを終えてから、 繰り返し見る｢少女の首に蛇が巻き付く悪夢｣に悩まされていた。 一方、あざみのいとこである日菜子は、 16歳を迎え、七日七晩を蛇のために尽くす『ハライノギ本年』でハライメをつとめることになる。 日菜子を案じるあざみは、自分の見る夢と儀式にまつわる家族の謎を解こうとするが…… 暴かれていく矢鳥家の真実。 隠された罪のそのまた奥の罪、その向こうにあざみは一体何を見る？

〈グリーン〉 それは、数万人に1人の確率で生まれてくる、｢治癒能力を持つ者｣の総称――― 〈グリーン〉の中でも高い能力を持つ〈エメラルド〉たちを集めた施設で育った少女・リイナ。 やがて大財閥・カンバラ家の人間であるハルヒコに引き取られたリイナは、二年間意識の戻らないハルヒコの愛娘・マジュの治癒を行うことになるが、 闇の中にいるマジュに呼びかけるリイナが彼女の心に見たものは、父と娘の禁断の関係で……！？ 眠り続ける美しい娘。 優しくて罪深い父親・ハルヒコ。 流れ込んでくる2人の感情に、惹き付けられのみこまれていくリイナ。 無垢な少女が溺れていく、甘く野蛮な三角関係。 ＊＊＊ ☆☆土・日を中心に更新中です☆☆ ＊＊＊

｢最愛の兄に逢いたいか？ならば逢わせてやろう。おまえが『兄の想い人』を探し出すことが出来れば―――｣ 兄と瓜二つの少年が朱音に持ちかけた、残酷な取り引き。 兄が想った人なんて知りたくない。 それでも逢いたい。 そばにいたい。 そばにいるのが許されないなら、すべて壊れてかまわない――― 縁結び稲荷の不可思議な主との出会い。 心を暴かれて葛藤する朱音は、 やがて山で起こる神隠しの謎に踏み込んでいくことになる……