μ i c uさんのレビュー一覧
ケータイ小説に限った話ではなく何かのファンになると一度は耳に入ってくるであろう羨望や憧れ、嫉妬や妬みが起こした二人の少女の悲劇＿＿ 身近なコンテンツ、もはや生活の一部であるケータイ小説やインターネット世界のあるあるから事件へと流れていくストーリー。 ストーカー行為の内容や花音ちゃんを突き落とす為の萌花ちゃんの策略がとても細かくリアルでドキドキで、ラストのまさかの展開にとても驚きました！私もホームに突き落とすのかな？と考えていた為に萌花ちゃんのまさかの行動とそれからの行動にハラハラしました…！ 花音ちゃんがあの後どうなったのか、栞ちゃんとはどうなったのか、萌花ちゃんのその後は…と物語的に彼女達の行方が気になると共に現代のインターネット世界とケータイ小説、匿名掲示板の怖い部分を人間の劣等感と嫉妬心をリアルに書かれたとても心にくる作品でした。 ドキドキハラハラでとても面白かったです！！
ふわふわと柔らかく甘い香りを漂わせる綿菓子は 触れてしまえばすぐに溶けて消えてしまう そんな君の命を、わたしは三度だけ味わったの。 命の灯火を脆く甘い綿菓子に例えた砂糖の様に優しい甘さで、少しだけ鉄の苦さを感じる、だけどやっぱり綿菓子の様に甘くて優しい物語。 砂糖菓子の様に舌の上で優しくとろける様な文章と胸が少しキュンとしまる切ない雰囲気でした。
完全じゃなくていい、小さな欠片でもいい。 お願い、私を忘れないで。 春が訪れれば桜の花弁に乗せて届けるよ。 皆が大好きだって。 拝啓、大好きな私の仲間へ。 文章がしっかりして読みやすく、疾走感のある展開でした。 暴走族系ですがジャンル上恋愛の絡みが薄くて読みやすかったです。 舞娜ちゃんをはじめ黒桜の皆や他の仲間が暖かみのある人達でその子達の掛け合いにクスッと笑えたりじんと来たり… 苦手意識があった暴走族系に興味を持てる様になった作品です。 ありがとうございました。
上を向いて歩こう、涙が零れないように。 でも、 たまには下を向いてあるいてみてもいいんじゃないかな。 下を向いていないと気付かない、アスファルトの中懸命に咲く花もあるからね。 上を向いて歩くのは、それからでいいよね。 心が苦しいときに寄り添ってくれる様な、作者様の心の優しさと豊かさが滲み出たとても優しい作品でした。
世界は理不尽で、不公平で、不条理。 どれだけ綺麗事を嘆こうとそれは揉み消される。 そして、不公平な世界は不条理にも罪無き二人の時間を削っていく。 二人が寄り添う時間が一秒でも長くあればいいのに。 そう切実に思いました。 綺麗事が一切抜きの物語。 どれだけ嘆き悲しんでも、不条理な世界は消えないのだから。 そう吐き捨てるような言葉が心に突き刺さる作品でした。
刻々と近づく"卒業"と言う人生の門出を前に立ち止まる。 自分の変化も、大切な彼の変化も怖かったのだ。 この変化が"さよならの準備"だと予感してしまったから。 誰しも一度は体験したことがある"卒業"へのカウントダウンを瑞々しい文章で綴った作品。 懐かしさに胸が締め付けられる様な衝動を起こす、そんな作品でした。 卒業前に疎遠となり自然消滅してしまった人も、卒業してもなお付き合っている人も、恋をしていれば一度は思ってしまうのではないかと思います。 とても初々しく純粋で、素敵な作品でした！
なんで、兄弟の愛はありえないのだろうか。 それを人に聞いたところで当たり前のように常識だと答えるのであろう。 でも、考えてみて欲しい。 血の繋がった兄弟で双子だろうと、核心に迫れば"他人"であり"男"と"女"なのだ。 他人である彼等が愛し合うわけがないと、誰が決めた？ こう言う兄弟の禁断恋愛物って『実はあなたたちは血が繋がってないのよー』からのハッピーエンドや最初から血が繋がってないと言うのが定番の中、血を分けた本当の兄弟と言う題材に惹かれ読み始めました。 二人の思いを知った人は白い目で彼等を見る。 それによって生まれる精神消耗とそれに追い討ちをかける出来事… 容赦なく痛め付ける現実から妹が探り当てた"答え"とは…… 最後はきっと心を揺さぶられるはず。 救いようが無い二人の短い愛物語、ぜひ一読を。
交通事故で半身不随になってしまい"障害者"になってしまった女の子と、健常者の男の子のお話。 共感できる事が多く、特に輝人君が言ったあの言葉は胸に染みました。 そして、最後に美羽ちゃんが大衆の前で言ったあの言葉も… そうやって声を大いにして言える勇気や強さは素晴らしいと思いました！ 障害があってもなくても、同じ人間、同じ生き物。 ただ耳が聞こえなかったり目が見えなかったり心が不安定だったり体が動かなかったり。 違いなんて、些細なことなのに、なぜこうも溝があるのだろう。 なぜこうも、壁が出来てしまうのだろう。 そんな理不尽に真正面から立ち向かった少女のお話。 二人のその後も気になります。 心に響く作品をありがとうございました！！
束縛愛と純粋な愛、それと加害愛と言うのでしょうか？ 束縛愛と加害愛。同じ行き過ぎた愛でも行動次第で真逆なんだなと思いました。 主人公の玲奈ちゃんの精神的にも肉体的にも追い詰められて弱っていく過程が痛々しい程伝わってきて、その描写がこのお話のハラハラドキドキ感に拍車をかけ、ページを捲る手が止まりませんでした…f(^^; モヤモヤしたままの終わり方も後味みたいに残ってその後どうなったのかな？と思わせるところがまた面白いです。 でもその後どうなったのかがとても気になります！ 「私は逃げられない。」 読み終えた後また表紙の文を読み返すと、その文が一体誰に対しての言葉なのか… 読んだ後もそう考えられる例えるなら一品で二度美味しいと言うような作品でした。