プロフィール

馳月基矢
【会員番号】694619
離島育ちの野生児。
京都修行を経て今に至る。

2020年1月、ペンネームを変更しました。

氷月あや
 ↓
馳月基矢(はせつき・もとや)

時代小説家。
「蛇杖院かけだし診療録」シリーズ
「拙者、妹がおりまして」シリーズ
「義妹にちょっかいは無用にて」シリーズなど

作品一覧

ふしぎ京都クロスライン―壬生の迷子と金平糖―

総文字数/84,892

ファンタジー48ページ

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デジタル×フェアリー

総文字数/95,776

ファンタジー77ページ

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公開リスト一覧

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レビュー一覧

★★★★★
2019/03/02 21:53
人と、人ならざるものの、魂のはざまで。

妖と触れ合い、人ならざるものの想いを、人の世のものに届ける少女、銀花。 届屋を営む彼女は、天涯孤独な身の上ではあっても明るい。 家族のように見守ってくれる仲間がいて、仕事もあるのだから。 江戸の町に不穏な事件の相次ぐある日、妖を憎む青年、朔が現れる。 朔は腕利きでぶっきらぼうで、そしてどこか危うい。 やかて銀花が知ることとなる自身と朔の生い立ちとさだめに、胸が痛くなる。 憎み合ってしまった悲しい人と妖を、どうすれば救えるのか。 急展開を迎えた終盤は一気読みでした。

★★★★★
2019/03/01 22:08
雪原の白に映える、空の青、あなたの瞳の青

北海道、紋別の雪原で出会った青い目の人は、犬ゾリを駆る。 優しい口笛を吹きながら、まるで一陣の風のように。 東京で衝撃的な失恋をし、最悪な形で仕事も辞め、北海道へ傷心旅行にやって来た深雪は、お世話になった民宿にそのまま住み込みで働くことを決める。 先輩として深雪に仕事を叩き込むのは、青い目をしたイケメンの啓。 北海道弁バリバリで口が悪く、愛想も悪く……でも優しい啓に、深雪は惹かれていく。 仕事、家族、恋。 悩みながらも頑張る深雪の姿に元気をもらえる作品。 もふもふの犬たちがまたかわいい。 そいとね、地元愛にあふれる小説は、ざまん大好きばい。 九州の離島民けん、北海道、憧るっとです。

★★★★★
2019/02/21 19:50
その地味なプレーこそ、一番かっこよかった

銀行の窓口で爽やかに対応してくれた彼は、社会人野球の選手だった。 職人、と呼ばれる左利きの二塁手。試合中もファンの前でもニコリともしないし、淡々としたプレースタイルもひたすら地味。 でも、そんな彼に、柑奈は惹かれた。野球のことなんて何も知らなかったけれど、ルールブックを首っ引きで。彼の職人的なポーカーフェイスの奥にある闘志と情熱を目撃するたび、彼に、野球に、夢中になっていく。 イケメンでも御曹司でもない、目立たなくて堅実な野球選手との恋模様は、地に足の着いたストーリーが心地よく、手に汗握る試合の描写も含め、とても楽しく拝読しました。

★★★★★
2017/05/03 06:06
いとおしいその色に、輝き続けてほしいから

鮮やかに澄んだ茜色。 それは自分とは違う色だと、茜は思う。 マスクに依存して顔を隠し、本心を隠し、言いたいことを言わず、やりたいことを見付けられない。 優しく瑞々しい青磁色。 それは彼らしい色だと、次第に気付いていく。 初めて会ったはずなのに茜の何もかもを見抜く目をして、嘘つきだ嫌いだと言い切り、茜を傷付けた彼だったけれど。 我が強くて自由な青磁に引っ張り回され、茜の目は、身のまわりに溢れる美しい色と風景を知り始める。 絵を描く青磁の目に映る世界は、なぜこんなにも輝いているのか。 その理由に触れたくて、ただ青磁の側にいたくて、茜の心が大きく動き出す。 美しい情景と絵、怯えて揺れる茜の心、芽生えていく初めての恋を、細やかに描写する筆致が魅力的。 誰もが皆、茜のように、わずらわしいけれども嫌いになれない日常の中で生きている。 茜への共感が、頑張る元気をくれた。

★★★★★
2016/11/20 14:25
優しくて弱い君と、きっと一緒に強くなれる

子どもは親を選べない。 例え親が受け入れがたいほど弱くてずるい人間であっても、子どもは親から離れられない。 経済的にも、精神的にも。 のばらや一吾から見て敵対的に描かれる登場人物も、根っからの悪人ではない。 ただ弱くてずるいだけ。 誰しも少しはそういう汚さを抱えて生きているはずで、その弱さやずるささえいとおしく思える愛や恋もあるだろう。 だからといって、人が人を傷付けていい理由にはならない。 肉体的にも、精神的にも。 のばらと一吾の初恋の物語であり、家庭環境に振り回される子どもたちの社会小説であり、不良少年の群像劇であり、リアルな女子の生態をとらえる学園小説であり、たくさんのエッセンスが詰め込まれた大作です。 テンポのいい文体、のばらの正直さ、生き生きとしたキャラクターのおかけでとても読みやすくて親しみやすく、切なくも力強いラストまでページを繰る手が止まりませんでした。

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