この囲いから早く出たい、 何度も願った。 でも、それは一生叶わない。 この檻の中で私たちは一生を終える。 解放されて、自由に生きたい。 世界をもっと見に行きたい。 世界は残酷で美しい。 それを、私たちは誰よりも良く知っている。 どうしたら、この狭い世界から逃げ出せるのか 毎日、考えて、苦しんで、悩んだ先に答えがあった。 見つけた答えが、正解とは限らない。 難しい世界で私たちはいつも生きている。 考えている時が少しだけ自由に慣れている気がする。 もっと、自由に生きるために今日も私たちは私たちのために生きる。 時間も、世界も、全部が私たちのためだけにあるんだと思って、 自由に生きよう。 息苦しい世界は、私たちには似合わない。 私たちに似合うのは、とびきりのロマンなのだから。

　『夜桜』という名の不良グループは、良くも悪くも目立つ。 　負けなしのその強さに、誰もが恐れ慄く。 　けれど、恐れているのはその名だけ。 　そのチームの総長を見たことがあるものは、皆口を揃えていう。 　あそこにいる主人は、アリスだと。 　不思議な国から来たような………。