初木さんの作品一覧

あの日、死のうと思って。
初木/著

総文字数/1,603

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「あの日、死ぬつもりだった。怖かったんだよ、君は酷い言葉を使うもの。君に傷つけられてからさ、死ぬのも惜しくなったんだ。今でも死にたいけどね、でも君のおかげだよ、私生きている」  彼女の深い悲しみから始まる告白に僕は何も答えられなかった。 「私ね、君のこと好きだったんだよ、君は私のこと大っ嫌いだったんだろうけどさ! 私はね君が好き。気持ち悪いでしょう、って、君ならそう言うね」 そんな悲しいこと言わせてごめん。どうか僕を忘れて。 ……なぜ、僕を許すんだ? 心苦しさで、君を、放っておけなくなった。  死を決めたあの子を愛そうと決めた高校生活三年間、最後まで君の目に映る僕は、最低な奴だったろう。 君のこと、僕も好きなんだよ、 どうして伝わらないんだろう? 傷つけたのは、全部、僕のせいだ。 最低な僕が君に送る言葉も見当たらない。 また会いたい、君に。 大好きだ、とは伝えられない。僕なんかといない方が良いだろうから。 好きな代わりに、ありがとうとを伝えたい。
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