―もっと、刺激的な恋を。―

まえがき ー幼い子どもの目に親やきょうだいはどう移るのだろうー かつて、私は“家族”という社会的集合体を一体どの様に見ていたのだろうか。 あまり深くは覚えていない。それが普通なのかもしれない。 例えば、自分の家族の独特な匂いをあたりまえのものと感じていたとしたら、それは自然な事だし、誰かに言われなければきっとずっと気づかないだろう。 誰も疑う事の無いまま。 時に恐れる。 自分のこと――意志、らせん、精神（こころ）、そして血液。 曖昧に操られる奥深い部分に、どっしりと根を生やす、ものの“すべて”。 ただ単純にこんな家族が居ても良いんじゃないかな、と感じられる様に、 この作品に触れる皆さますべてに、誰も知らない温かさを伝えたいと思い書きました。