沙夜の言葉が気になりつつも、 平然と笑顔を作り首を左右に振った。 「…そっか、なら良いけど」 剛貴は何の疑いもせずに 無邪気に八重歯を見せると 手首を掴んだまま私を座らせる。 鼓動が止まらない。 手渡された缶ビールを受け取り、 もう片方の手は指を絡めていく。 誰からも見えないように、後ろ手へ…。