あっという間に海に着き、浜辺は
すでに大勢の若者で賑わっていた。
「ねぇ、あれ剛貴と大和じゃない?」
浜辺を歩けば剛貴と大和に集まる視線、
女子の集まりからはヒソヒソ話まで聞こえる。
「…ねぇ、さっきから二人とも凄い噂されてない?」
私は小声で沙夜に聞くと
「そりゃあそうでしょ、剛貴と大和は地元では有名じゃん?二人に声掛けられるなんて、私達ラッキーだよ」
と以前から知っていたような
口振りで話す沙夜に再び聞き返そうと
思った矢先、剛貴に手首を掴まれた。
「なぁ〜に二人で話してんの?」
咄嗟に掴まれた手首が
一気に熱を帯びていく。
「ううん、何でもない」