「ええぇ! そうなのかあ…どうりで、シュートフォームの癖が似てる。こりゃあ驚いた…へえ〜、縁とは不思議なものですなあ。」


園田先生はしばらく、懐かしいだの、運命的だのと言っていた。
恋李はそろそろ、部員たちの好奇の視線に耐えきれそうになかった。


「あの、今日は充分見学させていただきました。機会をくださって、ありがとうございます。そろそろ」


「おう、印象はどうだ?」


「雰囲気が、清南と似ているような気がします。それに、チーム全体の改善点、個人の伸びしろもかなりあると思います。」


「なるほど楽しみだなあ。あ、こっちこそどーもね。バスケ、やってかなくていい?」


「あんま目立ちたくないので、遠慮しておきます。では、どうも。あ、いいです、先生は部活についていてください。」


「そうか?春休み中また来てもいいからな!宿題はちゃんとやれよう。」


恋李はそそくさと体育館を出た。背後で、インターバル、という先生の声が響いた。





ガラガラ、と体育館の扉が開く音がした。つぎに、パタパタ、という足音が恋李のほうへ向かった。
しかし、それらは途中で向き直り、また体育館へと戻っていったのだった。