淡い光の季節に。

「失礼します。」
少女は職員室の扉を開いた。

黒くて長いストレートヘア、切りそろえられた前髪と、片耳にかけた髪を留めるひよこのピン。


そして深緑のウィンドブレーカーの、チャックを上まで閉めるのは少女の気合いの表れらしかった。


色の濃いものを身につけると、彼女の肌の白さがいっそう際立つ。


「あっ、恋李(れんり)ちゃん久しぶり。園田です、覚えてる?入っておいで」


1人の男性がプリントを片手に少女に声をかけた。その男性は少女の記憶よりも、少し老けていた。


2人は応接スペースのソファーに座った。

「もちろん、お久しぶりです。あのう、今日はバス」


「バスケの見学か、や〜ほんと助かるよ。うちの女子はねえ、全道大会に出場したりしなかったりでね、恋李ちゃんがいると全道はかたいからねえ。」


「あ〜…はい。」


「でも今日女バスの部活は午後なんだよね、あれ、連絡いってなかった?今は男子が」


「い、いいんです。そのつもりできたんです」


「ん?」


「男バスのマネージャーやります。見学させてください。」