「でも……それは、ないと思う………。」 「「え?」」 結と美希の声が重なる。 「私、優樹くんに振り向いてもらえるように頑張る……。」 小さい声だけど力強い声。 仁美ってこんな声だったっけ。 きっと今の私より、ずっとずっと気持ちが強いんだろう。 「そ、っか…」 素直に『頑張れ』って言えない私。 この気持ちに気づいてしまった今、仁美にもうしわけなくて。 涙がこぼれないように、上を向いた。