母はあまり弱いところを見せず、
弟はまだまだ小さいため、
私がしっかりしなければいけないと、
いつしか考えるようになっていた。
私が父の代わりを果たさなければ、と。

今思えばまだまだ子供である私に
そんなことできるわけがなかった。
しかし私は徹するように励んだ。

大きな変化としては、
私が私を殺したということ。
それまでの私を全てなかったことのようにし、
母が少しでも安心できるようにと
常に考えて行動するようになった。

どんな時でも、
私がどうしたいかではなく
どのような言動をとればこの人は喜ぶのだろう
という思考になったのである。

そのお陰か、
小学6年でソフトボールチームの
キャプテンを務めたり、
学級委員を任せられるようになった。

私は私でないことを忘れ、
人に喜んでもらえることに喜びさえ感じていた。