「その…花見の方をちょこっと開催致しまして……。」

恐る恐るそう言うと片方の眉を上げながら

「花見ぃ?…良いご身分だなぁ。授業に出ずに花見するなんてなぁ。」

と親父が嫌味たっぷり込めて言ってきた。

「いやっ、その…ハハハ。」

もう俺は笑う事しか出来なかった。

「ハハハハハハァ〜、楽しかったかぁ。」

と親父も笑って言ってきた。

どうしてだろう…怒っている時の親父が笑うと、恐ろしさが倍増する。

「ハハハハハハ……。」

と引き攣りながら俺が笑うと親父はスクッと立ち上がり

「晩ご飯抜きッ!!」

と言って出かけていった。

「今日の晩ご飯なに?」

とずっと近くにいたお袋に聞いた。

「焼き肉。」

と笑顔でお袋が言ってきた。

「マジかよ…。」

俺がしょげていると

「残念だったわねぇ。まっ自業自得ってやつよ。」

とお袋が微笑んで言ってきた。

「…つーか、お袋も同罪っしょ。」

「何言ってんのよ。私は仁志君に頼まれて弁当を作ったのよ。アンタに頼まれて作ったんじゃないもんね。」

と涼しい顔して言うお袋。

「…なるほど。」

俺は納得する事しか出来なかった。