気がつくと僕は公園のベンチに座っていた。

「輝、こんな所で何やってんだ?」

気がつくと目の前には竹ノ内さんが立っていた。

「…竹ノ内さん。」

竹ノ内さんの顔が見れて、少し元気が出た。

「どうした?何かあったのか?」

そう言いながら僕の隣に竹ノ内さんが座ってきた。

「何でもないですよ。」

僕は笑顔で答えた。

竹ノ内さんの前だと僕は自然な笑顔でいられた。

…最近、家では作り笑顔ばかり。

「そうか?」

竹ノ内さんが心配そうに聞いてきた。

僕を心配してくれる人がいる…。

僕は少し心が暖かくなった。

「そうですよ。竹ノ内さんこそこんな所で何してるんですか?またサボってるんですか?」

「うるせぇ。」

「ハハハ…。」

「輝、本当に何でもねぇのか?」

「どうして?」

「元気がねぇからだよ。」

「…そうかな。受験勉強でちょっと疲れてるんだよ。」

「受験勉強ねぇ〜。大変そうだな。」

「まぁね…でも、やり甲斐はあるよ。」

「なら良いけどよ。」

…嘘をついた。

やり甲斐なんて無かった。