そんな僕のまわりで「旅行、旅行〜。」と言ってはしゃいでいる弟の姿が目に入ってきた。

弟は僕と違ってクラスの人気者、小学三年生。

そこにもう一人、小学四年生の弟が起きてきた。

「何してんの兄ちゃん。もう旅行の準備終わったの?」

と聞く小学四年生の弟。

「お兄ちゃんねぇ、旅行には行かないんだって。」

母が笑顔で答えている。

…旅行に行かないなんて一言も言ってないよ。

僕の心は崩れかけていた…。

「えぇ、兄ちゃん行かないの?チェッ、つまんないの。」

弟の声が僕の耳に響き渡っていた。