中学三年。

季節は夏になりかけていた。

その日は久しぶりに心がウキウキしていた。

理由は久しぶりの家族旅行に行くからだ。

父が抽選で当たったのだ。

僕は準備をして笑顔で一階に向かった。

今日は受験勉強の事を忘れて両親と笑顔で会話が出来る。

僕は何の疑いもなくそう思っていた…。

母の声が聞こえるまでは…。

「やっぱり駄目よ!今、大事な時期なの!旅行なんてやめましょ!」

母の言葉が僕の耳に突き刺さって聞こえた。

「そうだな…最近、学力も落ちてきてるからな。」

父が母の言葉に納得していた。

その時、僕に気がついた母が

「輝、アナタは旅行いくのやめなさい。この前のテスト点数最低だったじゃない。アナタは頑張れば出来る子なんだから…ね?」

と言ってきた。

…どうゆう事?

母の言葉の意味が理解出来なかった。