良い匂いがしてきた。

…そろそろ夕飯かな。

そう思って僕は台所に向かった。

「お腹減っちゃったよ。」

と僕は母に笑顔で言った。

「…まだ出来上がるのにもう少し時間かかるから、勉強してなさい。ご飯になったら呼ぶからそれまでちゃんと勉強してなさい。」

と冷たく母が言ってきた。

…また勉強か。

僕は部屋に逆戻りした。



食事中、僕との会話は受験勉強の話ばかり…。

「ねぇねぇ、今日さぁ商店街で…。」

と僕が今日の出来事を話そうとすると母は、眉にシワを寄せながら言ってきた。

「何?商店街に行ったの?そんな暇があるなら勉強しなさいって、いつもママ言ってるでしょ!!」

僕はそんな返答を待っていたわけじゃない…。

ここ最近は僕の話を最後まで聞いてくれない…。