受験勉強で毎日が終わっていく。

…息が詰まりそう。



テレビを見ていると母が言ってきた。

「何やってるのよ!そんなんで赤松高校に受かると思ってるの?…他の子に追い抜かされちゃうわよ!早く勉強しなさい!」

…今、見始めたばかりなのに。

…別に他の子達に抜かされたってかまわない。

そう思いながらボーっとしていると、母が更に声をあげて言ってきた。

「早く部屋に戻って勉強しなさいって言ってるのがわからないの!?」

…勉強、勉強って。

最近、母の口からはその単語しか出てこない。

僕は部屋に戻り勉強机に向かった。

教科書に参考書、ノートを開きペンを持つ。

ため息が一つ出た…。

「…竹ノ内さんちゃんと仕事してるかな。」

竹ノ内さんの顔を思い出すと心が楽になっていった。

もう少し頑張れると思った。