向かった場所は海岸沿いの堤防。

「ここなら素直に何でも話せるだろ。」

俺がそう言うと龍崎は少し苦笑いしながら

「話す事なんてねぇっつーの。」

と言って街の方に向かって歩き始めた。

「あっそう。なら俺の話を聞け。」

俺がそう言うと龍崎は眉を潜めて隣に腰掛けた。

「俺はこう見えても警察だ。」

「知ってるよ。」

海を見つめて龍崎がそう言った。

「警察ってーのは国民を守るもんだ。俺はそう思ってる。」

「あっそう。」

「だが俺はたった一人の人間すら守る事が出来なかった。」

「あっそう。」