「輝、こんな所で何やってんだ?」

久しぶりに公園に行くとベンチに呆然と輝が座っていた。

季節は夏になりかけていた…。

「…竹ノ内さん。」

そう言った輝の声にはいつもの明るさを感じなかった…。

「どうした?なんかあったのか?」

「何でもないですよ。」

と輝はいつもの笑顔を俺に見せてきた。

「そうか?」

「そうですよ。竹ノ内さんこそこんな所で何してるんですか?またサボってるんですか?」

「うるせぇ。」

「ハハハ…。」

と輝は笑っていたが目からは悲しさが滲み出ていた。

「輝、本当に何でもねぇのか?」

「どうして?」

「元気がねぇからだよ。」

「…そうかな。受験勉強でちょっと疲れてるんだよ。」

「受験ねぇ〜…大変そうだな。」

「まぁね。…でもやり甲斐はあるよ。」

「…なら良いけどよ。」

「…じゃあ僕この辺で。塾に行く時間だから。」

「おぉ。…輝!ちったぁ息抜きも必要だぞ。」

「はい。」

と輝は笑顔で言って塾に向かった。

それが俺の見た輝の生きている最期の姿だった…。



その三日後、輝が死んだ…。

死因は自殺…原因はイジメに受験ノイローゼ。