それは、10年前の出来事だった…。





「おはようございます。」

笑顔でそう言ってきた水島輝。

「おぉ、元気が良いなぁ。」

「竹ノ内さん、サボってばかりいると出席出来ませんよ。」

そう言って微笑みながら輝は学校の方へ向かって行った。

「大きなお世話だ。」

と俺は輝の後ろ姿に向かってそう言った。



そんな明るい輝の様子がおかしくなったのは、中学三年の春だった…。