【龍崎仁志】

久しぶりの屋上は心地が良い。

停学が終わり、久しぶりに十三にヨネ、タマとたわいもない会話をした。

フッと校庭の方を見ると桜が綺麗に咲いていた。

…しまった、まだ花見してねぇ!!

「うおぉーッ!」

俺は叫んだ。

「な、何だよ急に!」

十三がビックリした顔でそう聞いてきた。

「馬鹿ヤローッ!」

「だから何だよ!」

十三が眉間にシワを寄せながら再び聞いてきた。

「花見だよ!花見!」

「…あぁ。」

「あぁ。じゃねぇだろ!するぞ花見!」

俺はそう言って屋上を出た。

学校の階段をおりながら携帯を取り出し、十三の家に電話をかけた。

『はい。』

十三のお袋さんが出た。

「あのさ、今から花見するからデッケェ弁当作ってくんない?…時間的に無理?」

『出来るに決まってるでしょ。誰だと思ってんのよ。』

と言ってお袋さんは電話を切った。