【山口十三】

玄関が開く音がして目が覚めた。

時計を見ると3時30分過ぎだった。

「何、アンタ達こんな所で寝てたの?」

お袋の声で龍崎も目を覚ました。

「あっ、お帰りぃ。」

と龍崎が目を擦りながら言った。

「ただいま。」

笑顔で答えるお袋。

俺達はお袋が買ってきたショートケーキを食べた。

「今日どうする?」

俺がケーキを食べながら龍崎に聞くとお袋が

「今日も泊まっていくんじゃないの?」

と言ってきた。

「今日は帰るよ。」

龍崎が笑顔でそう言うとお袋は

「えぇ〜、今日も仁志君泊まると思ってたから、仁志君の好物のトンカツにしようと思って、材料バッチリ買ってきたのに〜、今日も泊まりなよ〜。」

とうなだれながら龍崎に言った。