「知るかッ!」

十三はそう言って学校へ向かった。

「知るかッ!じゃねぇっつーの!」

と言いながら俺も学校へ向かった。


「春の風ってよ〜なんか気持ち良いよな〜、夏とは違ってさ。」

屋上で俺がそう言うと

「ん〜…だな〜、気持ち良いな。」

十三が煙草の煙りを吐きながら答えた。

俺は花見がしたくなった。

「…よっしゃ、花見でもすっか。」

「おぉ、良いね〜。」

とすぐに十三はノってきてくれる。

俺はそんな十三が好きだった。

…変な意味じゃなくて。


花見の話しで盛り上がっていると、屋上に生徒指導の尾崎がやってきた。

煙草を吸っているのが見つかり、停学処分をくらった…。

尾崎が言った

「お前達、停学。」

の野太い声だけが屋上に響き渡っていた。

「また停学かよ…。」

と心の中で思いながら空を見上げた。

隣の十三を見ると同じく空を見上げていた。

そんな感じで俺達の高校三年の春が動き出した。