心地良い風が教室の窓から入ってくる。

センコウの声が眠気を誘う。

ウトウトしていると携帯が鳴った。

…知らない電話番号からだ。

「はい。」

『おぉ、俺、俺…っつっても詐欺じゃねぇぞ。』

「龍ちゃん?」

『そう龍。お前さ今、暇だろ?』

龍ちゃんからの電話だった。

「いやっ、暇じゃないっスよ。今、授業中なんスから。」

『そんなのいあからよ〜、今から十三の家に来いよ。ちなみに大至急な。』

「えっ?ちょっ、それは無理っスよ。」

俺の返事を無視して龍ちゃんは電話を切った。

龍ちゃんはいつも急に呼び出す。

でも龍ちゃんに呼び出されて俺の心はいつも弾む。

俺は山さんの家に猛ダッシュで向かった。